脚本の最初の3行を読んで出演を決めた…とジョニー・デップに言わしめたこの映画。確かに冒頭のモノローグ〜「初めに断っておく。諸君は私を好きになるまい。男は嫉妬し、女は拒絶し、物語が進むにつれてどんどん私を嫌いになる…」は好奇心をくすぐらざるをえない。しかも、ジョニー・デップのようないい男が言うんだから嫌いになるはずもない。大胆不敵で挑発的な始まりだ。
しかし、内容と言えば凡作、いや駄作?
物語は17世紀英国に実在した放蕩詩人ロチェスター伯爵のデカダンスな人生絵巻。残念なことに登場人物や時代背景の描写がおろそかで、全然感情移入出来ない。
傍若無人な振る舞いを見せる天才詩人ロチェスターがカリスマ性で迫るのかと思いきや、大根役者に惚れ込み純愛劇に。そしたらアングラ劇場のようなアナーキー精神を見せたり、逃亡後の惨めな後半はありがちにも聖書で改心したりと、ストーリーも断片的にただ並べただけ。もっといい伝記映画になれただろうに…もったいない作品だ。
見所といえば、ジョニー・デップのロックンローラーぶりだろうか。
カーリーロン毛のデップはまるでヘビメタさん。クラシカルな服装なのでイングヴェイ・マルムスティーンの(痩せてた)若いころのようだ。
梅毒に侵され杖をつきながら議会に申し立てに来るシーンの彼はまるでマリリン・マンソン。というか絶対モデルはホーリーウッドの頃のマンソンだ。